小沢征行先生永眠


 当事務所の代表弁護士である小沢征行が本年2月28日に急逝いたしました。享年82歳でした。
 小沢は、1941年に埼玉県比企郡小川町にて出生、都立小石川高校から東京大学法学部に入学し、1964年東京大学法学部卒業後、当時の三和銀行に入行し新橋支店にて勤務しました。1967年4月から総務部に異動、在籍したまま東京大学大学院民刑事課程に入学し、労働法の石川吉右衛門先生に師事しました。在学中の1968年に司法試験合格後、銀行に戻りましたが、1971年3月末日に退行し、司法修習生の身分を得て1973年に司法修習を終え、東京弁護士会所属の法律事務所を経て翌1974年に独立して小沢法律事務所を開設しました。
 その後、バブル経済の崩壊が当事務所と小沢の運命を変えました。1990年に実行された当時の大蔵省によるいわゆる「総量規制」によって、不動産業者が追加融資を受けられることなく倒産することになり、民事保全、訴訟、執行事件が多発しました。そのような状況において、小沢の真骨頂と言えば、民事執行法に関する事件でした。小沢の民事執行法に関する知見は、微に入り細を穿つほど詳しく、かつ深いものがありました。不動産競売や債権執行事件はもとより、例えば、不動産競売事件で不法占有をしている複数の者がいるという情報を得た小沢は、民事執行法55条の保全処分の適用を考えました。これによって、当事務所は当時の東京地裁民事21部の裁判官や警視庁と連携して、徹底的に反社会的勢力である占有屋退治を始め多くの成果を得ることができました。
 今はただ安らかにお眠りいただけますことをお祈り申し上げます。                                合掌